日立、完全仮想化シミュレーション技術を開発

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日立製作所は、自動車などの電子制御ユニット(ECU)を実車に搭載せず、シミュレーター「HILS」にエンジンやモータなどのハードウエアとECUの双方をモデル化、すべてコンピュータ上の仮想空間で評価・検証する技術を開発した。

HILSでは、ハードウエアをモデル化しリアルタイム演算で仮想的に実機と同等の動きをさせ、実物のECUの評価や検証を行っている。今回、ECUについてもモデル化し、ECUモデルとハードウエアモデルとを高速通信インタフェースによって連動する技術を開発することで、完全に仮想化された環境の中で、評価・検証できる。

この技術を活用することで、開発者はECUやエンジンの実機を使わずに、机上で自動車の組み込みソフトの開発・設計が可能となり、開発コストの大幅な削減や開発期間の短縮などが図れる。

同社は、自動車の車間距離を保持するACCシステムで、この新開発技術を適用し、効果を検証したところ、従来のHILSと比較して、同等の精度でありながら、シミュレーション実行速度を34%に高速化できることを確認した。

また、今回の技術を適用することによってECUとハードウエアの双方をモデル化しすべてコンピュータ上で実行できたため、検証環境の複製が容易となり、大量の検証項目を同時に並列実行させることができる。

今回、3並列実行を行ったところ、従来HILSと比較して、シミュレーション実行速度は102%となり、従来以上の検証処理性能を達成した。

この技術は10月27~30日に韓国の高陽市で開催される国際会議「ICCA2010」で発表する。

《レスポンス編集部》

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