タイヤ&ホイールの専門店チェーンを営むフジ・コーポレーションは、9月23日に茨城県つくば市に「フジ・スペシャルブランド つくば店」をオープンさせた。これまでの土浦店を代替するとともに、品揃えを強化した。オープンから2週間が経過したが、店舗のようすなどをつくば店の販売部マネージャー広瀬忠良さんに伺った。
◆常磐道谷田部ICから15分、駅からも至近
つくば店は、常磐自動車道・谷田部ICや首都圏中央連絡自動車道(圏央道)つくば中央ICから、県道19号線を経由して市街地方面へと向かう途中のほど近くにある。つくばエクスプレスの研究学園駅からも徒歩数分という好立地だ。
広瀬さんは、つくば店のロケーションについて「近くに大型ショッピングセンターがあり、常磐自動車道の谷田部インターからもアクセスが容易で、つくば市内の方から茨城県の県南地域にお住まいの方でも足を伸ばしやすい場所と言えます」と説明する。
オープンから2週間ほど経過したが、来店客の傾向はどうなのだろうか。「お客様の詳しいデータは出していませんが、土浦にあった移転前時よりも、若い層の方が多い傾向はありますね。車種的にはミニバンが圧倒的に多いのですが、輸入車ではVW『ゴルフ』やオペル『ヴィータ』、国産ではコンパクトカーなど、女性とりわけ奥様でも乗れるコンパクトカーなども多いように感じます」と広瀬さん。
◆省燃費効果を期待して転がり抵抗低減タイヤや軽量ホイールが人気
同店ではオープンと同時にセールをスタート。積極的なチラシ攻勢で販売の垂直立ち上げを図ったが、これが功を奏し来店客は順調に伸びているという。「現状ではタイヤのみの交換がメインですが、徐々にホイールとタイヤのセット品の販売にも力を入れていきたいですね」(広瀬さん)。
つくばは新興の住宅地でもあり、『アルファード』や『エルグランド』などの大型高級ミニバンに加えて輸入車も街でよく見かける存在だ。フジ・コーポレーションの店舗ラインナップのうち、プレミアムショップの位置づけである「スペシャルブランド」店としたのも、商圏の保有車両の傾向を分析してのことだ。広瀬さんとしては、この大型ミニバンや輸入車向けの商品を強化していきたい、とのことだ。もちろん、同店はバックヤードに膨大な数の在庫を持っているので、軽自動車からセダンタイプまでの純正交換サイズの品揃えにも抜かりはない。
店舗入口を入ってすぐに目につくのが、エコカー向けのタイヤ&ホイールセットとスタッドレスタイヤのコーナー。エコカー減税による新車需要もあって、これらに最適なシューズの提案を積極的に取り組んでいることがわかる。
「エコカー向けのタイヤ&ホイールセット提案はフジ・コーポレーション全社的に取り組んでおりまして、つくば店も例外ではありません。すでにかなりの本数が出ていますが、他の店舗と傾向的に異なるのは見た目を重視するというよりは、“より軽量なものを”という、より省燃費を意識した選び方をされているということですね」(広瀬さん)。やはり研究学園らしく、実際の効果を重視する層が多いと言うことになるのだろう。
◆スタッドレスは例年よりも動きだしが早い
10月も中旬に差し掛かり、あとひと月も経てばそろそろ地方によっては初雪の知らせも
届く季節になる。そうなると気になるのがスタッドレスタイヤだが、つくば店での需要の立ち上がりはどうか。
「地域的には、東京などと変わらず雪などはあまり降らないのですが、行楽やレジャーにむけてスタッドレスの需要も徐々に増えています。特に昨年は寒さが厳しく店によっては品薄になったこともあってか、動き出しは比較的早いと感じます。当店の予約状況ではヨコハマタイヤ『アイスガード』と、ミシュラン『エックスアイス』シリーズが支持されていますね」(広瀬さん)。
取材当日は平日だったが、女性客の多いスターバックスコーヒーに隣接する立地の効果か、取材の合間にも若い女性2人組の来店客が訪れてきた。タイヤ店というとツナギに真っ黒な軍手で応対、というのを想像するが、フジ・コーポレーションはどの店舗でも店員の服装は統一され、店もキチンと清掃されている。店舗のイメージはまるでユニクロや無印良品のようで、女性客でも遠慮なく来店できるのも納得できる話である。
広瀬さんは「良い物を安く提供して地域ナンバーワンのお店を目指したい」と抱負を語ってくれたが、これまでのタイヤ&ホイール店のイメージを覆す清潔・整頓・カジュアルな店作りは着実に浸透していると感じられた。