ホンダが8日に発表した『フィット』の一部変更では、ハイブリッドを含め3つの個性をアピールする。中でも「RS」はよりスポーティさを強調したモデルになっている。
今回登場したRSのわかりやすいトピックはMTの6速化。もちろんCVT仕様も用意され、燃費はCVT仕様のほうが良好。そのため、販売比率もCVTが多いと見込まれている。フィット全体としてはごく少数派の「RS」だが、6MTに注力するのは意味があるのだという。それは「RS」の開発陣にはMT好きが多く集まっているからだと説明する。
ハイブリッド車を購入するほどわかりやすくはないが、クルマのダウンサイジングは十分なエコ活動。『CR-Z』に続いてコンパクトカーでもMTを大事にしているあたり、環境を重視した時代でも、楽しめるクルマを存続させようというホンダ開発陣の意気込みが伝わってくる。
そのRSに搭載されるMTは、従来の5MTから多段化し6MTとすることで、より気持ちのよい回転域を使って元気に走ることができるようにした。6MTの持ち味を使い切るようなスポーツ走行をすれば燃費悪化の可能性があるとしながらも、10・15モードでは旧型の5MTよりも0.2km/リットル改善された17.4km/リットルとなっている。
また、CVTモデルにも関係するRSの改良点はボディの強化。フィットハイブリッドでは搭載機器増加の影響でボディ補強がなされているが、その補強法をRSにも応用してボディ改良を進めたという。カタログではフロントフレームの左右をつなぐパフォーマンスロッドの採用としか説明がないが、乗り比べればボディの差をすぐ感じるほど改良されているとのことだ。