気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2010年9月3日付
●パジェロ改良モデル排ガスをクリーン化(読売・10面)
●ホンダ株トヨタ超え、新興国好調終値上回る(読売・11面)
●動画配信秋の陣、米アップル、テレビ事業強化、ソニーは欧州に拡大(朝日・12面)
●米新車販売、日本製小型車を敬遠、ガソリン下落消費者、大型車に(毎日・7面)
●トヨタ、米シェア再び3位に転落(産経・9面)
●日産、ベンツに続き「パジェロ」も、低公害ディーゼル国内投入本格化(東京・8面)
●タタ自動車、開発・増産に1600億円投資(日経・9面)
●中国販売し、トヨタ、2ケタ増回復、8月16%増、旧モデル値下げ奏功(日経・11面)
●日本電産、CB最大1000億円、海外で発行(日経・15面)
●ダイハツ2車種58万台リコール、後部ランプ色あせ(日経・38面)
ひとくちコメント
ホンダがトヨタ自動車を追い抜いたという。新車の販売台数でもなく、自動車レースでもない。2日の東京株式市場で、トヨタ自動車の株価が前日比7円安の2850円で取引を終えたのに対し、ホンダは同52円高の2859円。終値ベースで2006年にホンダが株式分割をして以来、初めてトヨタの株価を超えたのである。
きょうの各紙も「ホンダの株価、トヨタを逆転」(日経)などと、大きく取り上げている。株価逆転の要因としては「2011年3月期の連結営業利益予想ではホンダ4500億円に対して、トヨタは3300億円。急激な円高で両社とも業績に影響を受けているが、トヨタの想定為替レート90円に対して、ホンダは87円と厳し目に設定している。投資家はホンダに対する円高の影響は限定的とみているようだ」(朝日)という。
また、毎日は日興コーディアル証券の橘田憲和氏のコメントとして「ホンダは中国など新興国に経営資源を集中させているが、トヨタは先進国を含めた『全方位型』。トヨタは円高や先進国の景気動向の影響を受けやすいため、当面は厳しい環境が続く」と分析している。
ただ、会社の実力を測る判断材料のひとつである株価に株数をかけた株式時価総額ではトヨタが9兆8267億円に対して、ホンダは5兆1788億円で「2倍近い開きがある」(日経)。ホンダはハイブリッド車のエコカー競争でもトヨタに完敗した。会社の底力とは別の世界で、株価の乱高下に一喜一憂するのが株式投資の醍醐味でもあるようだ。