三菱重工業は2日、中国の既存の生産拠点を活用して歯車機械の生産に乗り出すことを明らかにした。同社が海外生産拠点で複数の製品を生産するのは今回の工場が初めてとなる。
中国・江蘇省にあるゴム・タイヤ機械生産拠点の常熟菱重機械内に新工場を建設し、歯車機械の生産を開始するとともに、ゴム・タイヤ機械の生産能力も増強する。工場は2011年2月に竣工、生産開始は2011年3月の予定。
歯車機械の現地生産は、生産台数の急増が続く中国の自動車メーカーの設備需要に対応するもの。歯車機械のベストセラー機であるドライカットホブ盤GE15Aを日本と同一の技術と品質を確保して現地生産し、自動車、二輪車、減速機などの歯車加工メーカーに拡販する。生産台数は初年度約40台、4年後に約100台を見込む。
常熟菱重機械の工場に隣接して増設する工場には、歯車機械製造用の各種組立・計測関連設備を導入、ショールームも併設して実機を展示し、顧客企業のテストカット要求にもここで対応する。
また、工場にはゴム・タイヤ機械増産のための五面加工機も設置し、生産能力を増強する。
同社が海外生産拠点で複数の製品を生産するのは今回の工場が初めてとなる。短期間に操業開始に結び付けるとともに、複数製品を生産することによって特定製品の急激な需要変動の影響を吸収する狙いがある。