【EVEX & CSF 10】鉛酸バッテリーもまだまだ活躍します!

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新神戸電機、風力発電用制御弁式据置鉛蓄電池LL-W
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高性能バッテリーと言えばリチウムイオンやリチウムポリマー。ニッケル水素も未だ多く使われているが、鉛酸バッテリーなんてガソリン車用のエンジンルーム以外、お目にかかる機会はほとんど無くなってしまった。

と思ったら日立グループのブースに鉛蓄電池の文字を発見。どういうことか、訊いてみたくなった。

出展されていたのは新神戸電機の「風力発電用制御弁式据置鉛蓄電池LL-W」というモノ。1つのモジュールには4つのバッテリーセルが収められていて、かなり大きい。これで8Vの電圧で12kWhの容量を誇るが、重量は485kgと少々重めだ。

名前にもあるように、このバッテリーは発電量が風任せな風力発電で安定した電力を供給するための電力のプール。青森県五所川原市のくろしお風力発電は今年3月に導入しており、体育館ほどの大きな倉庫に3456セルのバッテリーを集めて、10.4MWhの容量を確保しているという。

日立によれば、制御方法を工夫することで充放電を頻繁に繰り返す半充電状態で17年の寿命が期待できるという。鉛酸バッテリーも重さと大きさに制約がなければ、まだまだ性能面ではメリットが大きいのだとか。さらにリサイクル性もリチウムよりも鉛の方がコスト面では有利。スマートグリッドの電力貯蔵電池は、リチウムと鉛の二極化になるかも。

もちろん日立もリチウムイオンバッテリーや、小容量ながら瞬発力ある電力供給が魅力のリチウムイオンキャパシタなども用意して、用途に応じた最適な蓄電デバイスを提供している。

(EVEX:電気自動車開発技術展2010とCSF:クリーン発電&スマートグリッドフェア2010は14〜16日、パシフィコ横浜で開催)

《高根英幸》

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