警視庁が全国に先駆けて採用した「移動防犯カメラ車」が、設置場所付近でも知られるようになってきた。駐在直後には「ニュースにはなってるけど、このへんには見かけないよ」と話していた周辺住民もいたが、今では小学生に聞いてもわかるほどだ。
警視庁が1億6000万円で購入した「移動防犯カメラ車」は、「ズームアップすると約150m先の人の顔を見分けられる」(警視庁生活安全総務課)という高性能なもの。約700万円の年間維持費が必要だが、カメラを設置するだけでなく、車内に職員がいるため犯罪防止効果はより高いものとなる。
8月末日までは、足立区綾瀬3丁目の東京武道館の近くの公園敷地内に駐在することが公表されているが、今後は「犯罪が発生する蓋然性の高い地域などで、犯罪の予防と被害の未然防止を必要としている場所を選定」(同課)して、設置場所を決めていくという。
過去に、ひったくりや盗難などが集中している、子供への声かけが目立つ場所のほか、キャッチセールスが横行する繁華街で環境浄化対策が必要な場所も対象となる。
記録された映像には大まかな保存期間も定めている。
「データの保存は原則として1週間。ただし、犯罪捜査のため特に必要と認めるときはデータの保存期間を延長することがある」が、通常は「上書きやフォーマットを初期化することによって、データは消去される」と、同課は解説する。
年末の繁華街などでは、移動式のカメラを使った特別警戒が、すでに普通に行われている。移動防犯カメラ車は、その外観からも駐在することが周辺住民にわかりやすく、犯罪の抑止効果が期待されている。