【高速道路新料金】本当はどこまで無料化されるのか

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菅内閣の再任大臣として就任会見に望む前原国交相(8日22時) 撮影=中島みなみ
  • 菅内閣の再任大臣として就任会見に望む前原国交相(8日22時) 撮影=中島みなみ

菅内閣が実現しようとする高速道路の無料化は「段階的な原則無料化」である。素直に受け取れば「原則無料化だから大部分の路線が無料になり、例外的に有料区間ができるのだ」と考えられるが、それは早計だ。前原国交相は、どこまで原則無料化するつもりなのか。

前原氏は8日の就任会見で、首都高速や阪神高速を「原則無料化」の例外とする理由をこう話した。

「交通量の多いところを無料にすると、より混んで、高速道路の意味をなさない。だから首都高速、阪神高速は除外した」

その後、他のNEXCO系高速道路についての考え方を、こう続けた。

「他の高速道路でも大都市近辺で無料化をすれば、むしろ混むような所、渋滞が起きて高速道路の意味が低減したり、相殺されてしまうようなところについては、ロードプライシングの考え方で有料にするということも考えていかなければならない」

東京外環道自動車道、名古屋環状二号線など新たに建設する高速道路についても、利便増進事業として建設する道路は有料が前提であることを、前原氏は明らかにしている。

最終的に無料化される路線は今年度の無料化社会実験でデータを積み重ねて決めるという。だが、6月下旬に始まる一部無料解放は、東京、名古屋、大阪の3大都市につながる路線と県庁所在地をつなぐ路線が無料対象から除外して選定された。つまりは、前原氏のいう「大都市近辺で無料化をすれば、むしろ混むような所」が除外されたということだ。

「高速道路無料化については、認証式の時、仙谷官房長官や玄葉大臣と政府と党が一体となって、連携して最終形を決めていこうと話をしたところ」(前原氏)

「ガソリン値下げ隊」を組織し、ガソリン税の暫定税率を下げると民主党が主張した時にも大いに期待して、結果的に裏切られた。マニフェストに掲げた高速道路無料化はどうなるのか。国会はその最終形をあぶり出してもらいたいものだ。

《中島みなみ》

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