[事業仕分け]車両の調達、試験の実施、交通安全環境研究所など

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事業仕分け-JNCAP
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今回の事業仕分けで、自動車事故対策機構(NASVA)は自動車アセスメント(JNACAP)の公平性や、試験が1か所でしか行えないことを主張した。仕分け中にはNASVA側の説明がほとんど許されない状況だったが、車両調達などについては以下のように行われるという。

●試験車両の調達

試験対象となる車種(グレード、装備)が決定すると、NASVAの職員が複数のディーラーに電話を掛け、対象車種の展示車が無いかどうかを尋ねる。

対象車種が展示されているディーラーがわかるとそこに出向き、身分と用途を明かした上で展示車そのものを購入する。一般的な商談にあるような値引き交渉は行うが、基本的に現金一括決済。購入後、その場で車両の各所(モノコックボディ本体などパーツの交換が不可能な場所)に塗料でマーキングを行い、メーカーによる車両のすり替えが一切できないようにする。

NASVAが主張する「一般の消費者が買える状態のクルマで試験を行う」というのは、この部分に強く現れる。

車両を調達するディーラーは関東地区とは限らない。このため、NASVA職員が現れそうなディーラーに対し、ボディ各所を強化した展示車を集中配置することも事実上不可能となっている。

●試験の実施

衝突試験には1車種あたり3台を使用する。フルラップ前面衝突、オフセット前面衝突、側面衝突の3種があることを理由とする。

歩行者頭部保護性能試験やブレーキ性能試験には、側面衝突用の試験車両を使用する。これは歩行者頭部保護性能試験の際に前面部へ軽いダメージが発生したとしても側面衝突性能には影響を与えないという理由から。

●日本自動車研究所

JNCAPの試験は、茨城県つくば市にある日本自動車研究所(JARI)の衝突試験場で行われる。所管するのは経済産業省。

2種類の前面衝突試験には通称「0走路」、側面衝突試験には「360走路」が用いられ、いずれも完全屋内で天候の影響を一切受けない。
滑走距離は両走路とも180mで、動力2300kWのモーターで試験車両を牽引する。

一般的な乗用車であればバリア衝突までに150km/h、大型車であっても80km/hまで加速する性能があり、JNCAPの基準速度を楽々とクリアする。

●交通安全環境研究所

国土交通省が所管する研究所で、東京都三鷹市と埼玉県熊谷市に試験施設を持つ。主に「新型車の型式指定」に向けた審査を行っている。

衝突試験用の施設は牽引用モーターなどが老朽化しており、NASVAによると試験車両の加速は型式指定試験に必要とする50km/hまでしか保証されていないという。

《石田真一》

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