携帯機器向け非接触充電、2012年めどに製品化へ

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10mmのアクリル板を挟んだ状態でも電力を伝送することができる
  • 10mmのアクリル板を挟んだ状態でも電力を伝送することができる
  • 共鳴型非接触伝送装置の試作機。上が送信器、下が受信器
  • 共鳴型非接触伝送装置試作機の構成図

ヨコオは19日、携帯機器などに非接触でも充電や情報伝送が可能となる「共鳴型非接触伝送用結合器」を開発したと発表した。

同社は、アンテナ技術やマイクロ波技術を核に車載通信機器・無線通信機器分野などで製品を展開をしている。今回開発した共鳴型非接触伝送用結合器は、これら中核技術を応用して開発した。

高効率で伝送が可能な非接触給電技術には、電磁誘導方式と共鳴方式があり、電磁誘導方式の装置は既に実用化されている。しかし電磁誘導方式は伝送距離が短く、送電側と受電側の位置精度などの点で制約がある。これに対し共鳴方式は比較的遠距離でも伝送が可能である点に着目し、同社は研究を進めて来た。

開発した結合器は、プリント基板やフレキシブル基板上に任意の形状に平面パターンで構成できることが特徴で、アプリケーションに合わせて伝送距離、周波数帯域、位置決め精度、大きさ、形状などを、最適に設計することが可能。薄型で小型機器などに組み込みやすくなる。

また、電界と磁界それぞれによる結合量の最適化することで高効率化と広帯域化を同時に実現できる上、広帯域特性を利用して高速な非接触情報(データ)伝送装置への応用も可能。

結合器を含む非接触伝送装置の試作機は、高周波電力を発生する送信器、結合器、受信した高周波電力を直流に変換する整流器、直流で発光するLEDのそれぞれで構成し、85%以上の効率で伝送できることを確認したとしている。

今後、電力の発生から直流を取り出すまでの非接触伝送装置全体の高効率化を目指すとともに、大電力化、小型化の技術も開発する。結合器の広帯域特性を利用した非接触伝送技術は、携帯機器等の充電装置のほか、さまざまな事業領域に幅広く応用できる可能性があり、1 - 2年後の製品化を目指す。

《レスポンス編集部》

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