【ベントレー ミュルザンヌ 日本発表】工場の職人をデザインスタジオに招いて

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ベントレーのインテリア担当チーフデザイナー、ロビン・ペイジ氏によれば、『ミュルザンヌ』のインテリアのデザインテーマは「リング・オブ・ウッド」。

インパネからドアへ、さらに後席の後ろにまでウッドを回している。「室内空間をリング状のウッドで360度取り囲んだ。いわばインテリアを額縁で飾ったのだ」とペイジ氏。

そのウッドは板状ではなく、とくにドアの肩口に張るウッドは厚さを見せるデザイン。薄いウッドを張り合わせる、という凝った製法だ。この形状を決めるにあたっては、「クルー工場の職人をデザインスタジオに招いた」とのこと。「インテリア・モデルのウッドに職人が紙を張って型紙を取り、実際に工場で作れるかどうかを検証してもらった」。

それぞれのウッドはクリア塗装してピカピカに磨き上げている。磨きの工程だけで1週間かけるというから驚きだ。最近は高級車でもクリア塗装しないマット仕上げのウッドを使う例が少なくないが、ペイジ氏は「マットも試したけれど、ベントレーが求める本物感は表現できなかったのだよ」と微笑む。トレンドに流されない信念がそこにあるのだろう。

ウッドと並んで大事な本革については「柔らかな触感だけでなく、匂いも大事にして選んでいる」とのこと。触感を柔らかくするために、革の裏側にソフトパッドを挟んでいることは言うまでもない。革を縫い合わせるのはもちろんミシンが基本だが、「細かいところではミシンを使わず手縫いしている」。超高級車ならではのクラフトマンシップがそこにある、ということだ。

《千葉匠》

千葉匠

千葉匠|デザインジャーナリスト デザインの視点でクルマを斬るジャーナリスト。1954年生まれ。千葉大学工業意匠学科卒業。商用車のデザイナー、カーデザイン専門誌の編集次長を経て88年末よりフリー。「千葉匠」はペンネームで、本名は有元正存(ありもと・まさつぐ)。日本自動車ジャーナリスト協会=AJAJ会員。日本ファッション協会主催のオートカラーアウォードでは11年前から審査委員長を務めている。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

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