大手家具チェーンのイケア(IKEA)が、パリで一風変わった宣伝作戦を展開している。地下鉄主要駅のホームに、本物のソファを並べるというものだ。
展開しているのは、コンコルド駅、オペラ駅、シャンゼリゼ・クレモンソー駅などの一部路線ホーム。
通常のホーム用椅子は期間中すべて撤去され、代わりにイケアで販売されているソファ数種が置かれている。代表的な商品は、フランス国内価格49 - 229ユーロ(約6000 - 2万7000円)の2人掛けソファ『カールスタッド』だ。
イケア店舗のものと同じプライスタグも脇に掛けられている。ソファの下にはフローリングも施されているほか、点灯はしないもののランプも置かれている。背後の大型ポスターもイケアのもので統一されている。
参考までに、フランス国内のイケア店舗は現在26店。うち7店はパリ周辺に立地している。
実際にソファが置かれている地下鉄8号線コンコルド駅クレテイユ方面行きホームを訪れたところ、高齢の観光客が座って記念写真を撮りあっていた。多くの地下鉄利用客が電車が来てもソファからすぐに立ち上がろうとしないのは、お尻に冷たくかつ硬い日頃のプラスチック製椅子に比べ、格段に快適だからだろう。奇抜であるが、期間終了後の撤去が惜しいキャンペーンである。