双日は、資本提携しているソルピー工業とともに、ポリイミドフィルムで使用される原料を使って溶剤に溶かすことに成功した。これによってさまざまな素材にポリイミド樹脂を塗布することが可能になった。
同社では、航空・宇宙、車両、電子材料などの先端分野で需要拡大が見込まれる高機能樹脂「可溶性ポリイミド樹脂」の研究・開発を加速化、早期の量産化、事業化を検討する。
ポリイミド樹脂は、最高の耐熱性と強度を持つプラスチックで、スーパーエンジニアリングプラスチックと呼ばれている。ポリイミド樹脂は、通常耐熱性や絶縁性、寸法安定性などの特性から、デジタル家電や携帯電話の回路基板としての需要がある一方で、不溶不融でペレット状樹脂での流通ができないため、成形加工が非常に困難で、フィルム形状のみの流通にとどまっている。
今回、ポリイミドフィルムで使用される比較的安価な原料を使って、特定の溶剤に溶かすことが可能になった。このため、ポリイミド樹脂を様々な素材に塗布することで、今後、リチウムイオン電池内部材の耐熱コートやバインダーといった先端分野、環境対応素材など、用途の拡大が期待できるとしている。