GMは17日、開発中の次世代型ヘッドアップディスプレイの内容を明らかにした。フロントウインドウ全体をスクリーンに見立て、ドライバーに必要な情報をわかりやすく表示する。
GMは1988年、世界で初めてヘッドアップディスプレイを市販車に採用。現在では、GMC『アカディア』、シボレー『コルベット』、ビュイック『ラクロス』、キャデラック『CTS』などに、ヘッドアップディスプレイを装備している。
GMは複数の大学と連携して、次世代ヘッドアップディスプレイの開発に着手。ドライバーの安全性をさらに高めることに重点が置かれた。カメラやセンサーには、最新技術を導入する。
現行のヘッドアップディスプレイは、ドライバー正面のガラス部分に、スピードなどの情報を小さく表示するものが主流。しかし、次世代型では、フロントウインドウ全体を巨大なスクリーンに見立て、さまざまな情報を表示する。
例えば、霧の中を走行中に路肩が見えづらい時、ブルーのレーザー光線によって、フロントガラスに路肩のラインを表示。これにより、ドライバーは車線がつかめるという仕組みだ。さらに、暗視監視システムの「ナイトビジョン」とも連携し、前方の歩行者や動物の存在をドライバーに知らせてくれる。
また、GMが2009年、オペル『インシグニア』で実用化した「オペルアイ」を一歩前進。速度規制や道路工事などの標識をカメラが読み取り、フロントガラスにピンクのレーザー光線で囲み表示。ドライバーが速度を落とさない場合、警告を発する。
GMは今後も次世代型ヘッドアップディスプレイの開発を進め、早期実用化を目指す方針。GMのR&D部門のトーマス・シーダー責任者は、「すでに複数のドライバーにテストしてもらい、そのメリットを確認済み」とコメントしている。