名古屋近郊「輸入車ディーラー街」でタイヤ/ホイール専門店の強みを活かす

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黒の外観が精悍なグリーンロード店。名古屋ICから東に伸びる幹線道路「グリーンロード」沿いにある
  • 黒の外観が精悍なグリーンロード店。名古屋ICから東に伸びる幹線道路「グリーンロード」沿いにある
  • フジ・コーポレーションのウェブサイトでは、2010年2月現在、666車種からホイールフィッティングのシミュレーションが可能。ホイールのサイズやデザインの選択の他に、クルマのボディーカラーや車高や背景の変更も可能だ。
  • 価格帯やメーカー/ブランド、デザインから好みのホイールを絞り込むことができる。
  • 黒の外観が精悍なグリーンロード店。名古屋ICから東に伸びる幹線道路「グリーンロード」沿いにある
  • ディスプレイに一際気を使っているのも「スペシャルブランド」店ならではの特徴だ
  • 壁一面に陳列された有名チューナーズブランドのホイール
  • ディスプレイに一際気を使っているのも「スペシャルブランド」店ならではの特徴だ
  • ブランドごとに多数のラインナップを揃える

タイヤ&ホイールの専門店を全国展開するフジ・コーポレーション。そのうちの一つである愛知県長久手町の「スペシャルブランド グリーンロード店」は、国産高級車や輸入車ユーザーをターゲットに、有名ブランドホイールの品ぞろえや低価格で他店との差別化を図っている。

同社の店舗営業部 ブロック長の長山浩幸氏に、同店の特徴や販売傾向を聞いた。

◆東海エリアでの「橋頭堡」

2005年には愛知万博の会場となった長久手町は今、名古屋市近郊で最も成長著しいエリアだ。地域を東西に貫く幹線道路「グリーンロード」は、高架の上をリニモが走り、国産車ディーラーや10以上の輸入車正規販売店が立ち並ぶ新興の輸入車ディーラー街。「スペシャルブランド グリーンロード店」はそのど真ん中に位置する。

関東・東北エリアから全国へと販売網を拡げつつあるフジ・コーポレーションにとって、2008年12月にオープンした同店は、東海地区で唯一の店舗。言わばエリア開拓のための橋頭堡だ。東名高速・名古屋ICからも近く、輸入車や高級車ユーザーの要望に応える「スペシャルブランド」店としては申し分ない立地と言える。

◆他店より高い輸入車比率

「やはりメルセデスベンツやBMWといった輸入高級車のユーザーは多いですね」と長山氏。店内にもそれらドイツ車向けのAMG、ブラバス、ACシュニッツァー、アルピナ等、名門チューナーズブランドの鍛造ホイールがずらりと並ぶ。高品質なホイール&タイヤをリーズナブルなセット価格で販売する戦略は、価格に敏感なデフレ不況下でも、確実に高級車ユーザーやクルマ好きの心をつかんでいるようだ。

長山氏によると最近はアウディや新型MINIのユーザーも増えているという。このあたりは新車販売の好調さも反映しているはずだが、同店の立地も大きな要因だろう。なにしろ正規ディーラーの「アウディ名東」や「MINI名古屋名東」は同店からほんの数百メートル先にある。いずれも最新のCIに準じた中京圏きっての大型ショールームだ。

また同店ではブリヂストン、ヨコハマといった国産大手のほか、ミシュラン、ピレリ、コンチネンタルといった海外ブランドのタイヤも多く取り扱う。またBMWやMINIに多いランフラットタイヤも低価格で取りそろえ、もちろんランフラット対応の最新タイヤチェンジャーも完備する。同店はホイールとのセット販売がメインだが、ランフラットの場合はタイヤだけの交換でも、同店を利用するメリットが大きいと言えるだろう。

◆低価格の秘密は、市場分析に基づく早期・大量仕入れ

「やはりトヨタのお膝元ですので、国産ではトヨタ車がとても多いですね」と長山氏は東海エリアならではの特徴にも触れる。主流はミニバンのアルファード/ヴェルファイア、エスティマなどで、ドレスアップを目的とした18インチや19インチへのインチアップが多いようだ。

ちなみにこういった大径サイズでも、価格はタイヤとセットで1台分、安いもので10万円台からある。「タイヤ1本から相談に乗ります」という同店だが、こうなると「どうせならタイヤ・ホイールのセットで」となるのが普通だろう。同じ商品でも一般的な量販店より明らかに安い点について、長山氏は「販売データをコンピューターで分析していち早く売れ筋の商品をつかみ、早い段階で大量に仕入れするからこそ」と説明する。人気が高まったのを見てから発注するのでは、商品確保の点でも遅過ぎるというわけだ。

◆エコカー用タイヤ&ホイールも人気

昨年からの傾向としては、新型プリウスなどハイブリッド車向けホイールの売れ行きが好調だという。「新型プリウス用のBBS製鍛造ホイールをはじめ、燃費性能を意識した各社の軽量ホイールは人気商品です。また転がり抵抗の少ない“エコタイヤ”を選ぶお客さまも、車種を問わず増えてきました。最近ではヨコハマのDNAアースワンやブリヂストンのエコピアあたりがサイズ等も豊富で数が出ます」。

これから迎える3月はクルマの買い換えが増えるほか、スタッドレスからサマータイヤへの履き替えもあり、さらにタイヤ・ホイールの新商品がリリースされる時期でもある。「この時期に新商品をいち早くキャッチしてご用意できるのも、当社の大きな強みです」と長山氏は言う。

◆同社HPの「フィッティングルーム」でチェック後に来店

実際にグリーンロード店では、ユーザーは何をきっかけに来店し、購入に至るのだろうか。長山氏によれば、事前に同社ホームページ http://www.fujicorporation.com/ の「フィッティングルーム」で、イメージ通りのホイールをチェックしてから来店するケースがほとんどだという。フィッティングルームとは、オンライン上で車種とホイールの画像を選択し、装着イメージを確認できる一種のバーチャルショールームで、もちろん同社が開発したもの。車種は内外の人気車をほぼカバーしており、ボディカラーもパレットから自由に選べる。もちろんホイールは現行商品をほぼ網羅。各種タイヤとのセット価格も同時に確認できるなど機能も充実している。つまり誰でも簡単に、予算も含めて希望に合ったホイールをじっくり探せるわけだ。

結果として来店時には、すぐに実際の商品を確認するなど具体的な話になる。もちろん在庫があれば、クルマの横に並べるリアルフィッティングも可能だ。そこでOKとなればすぐに取付け。作業自体は15分から20分程度で終了するという。商談時間の短さや交換作業の迅速さは、サービスを受ける側にしても当然大きなメリットだ。ITやスケールメリットを最大限に生かしながら、最終的にユーザーの高い満足度をも確保するという一連の流れに、フジ・コーポレーション躍進の理由がうかがえる。

【取材協力】
フジ・コーポレーション スペシャルブランド グリーンロード店
住所 〒480-1151 愛知県愛知郡長久手町久保山1926
TEL  0561-64-2211

《丹羽圭@DAYS》

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