豪クイーンズランド州観光公社が昨年実施したプロジェクト「The Best Job in the World」で、約3万5000人の応募者から「島の管理人」に選ばれたベン・サウスオール氏が来日。
グレートバリアリーフ・ハミルトン島での6か月間の任務を終え、1月から同州の観光大使に就任したサウスオール氏。今後は観光プロモーションのために世界各国を巡るという。
イギリス人のサウスオール氏は、大学でクルマのデザインと技術の資格を取得。卒業後に慈善事業の資金調達・プロジェクトマネージャーとしてアフリカ各地を縦断するというユニークな経験の持ち主で、2008年には四輪駆動車に乗りアフリカ大陸6万5000kmを縦断している。
「もともとクルマは大好き。今でもフォルクスワーゲン『ビートル』とランドローバー『ディフェンダー』はいいクルマだと思っている。ビートルは4台を乗り継いだ。今の愛車はランドローバー。環境に対してはあまりオススメできないクルマだけどね」(笑)
公私ともにガソリン車を乗り継いできたサウスオール氏だが、ハミルトン島での6か月の移動はほぼゴルフカート(電動バギー)だったという。
「島の陸上での移動手段はほとんど電動バギー。環境保護の観点から、一部の連絡バスなどを除いて、ガソリン車などのいわゆる自動車は乗り入れできないと決められている。電動バギーは有料でレンタルしてくれるショップが点在しているから、旅行者も気軽に借りられる。住人たちが所有する電動バギーには、レクサスやBMWのおもちゃのバッジを付けたり、シートを革ばりにしたりと、思い思いに個性を出して楽しんでいるね」
ハミルトン島での暮らしのなかで、環境に対する意識がさらに高まったとサウスオール氏。
「東京にやって来て感じることは、ハイブリッドカーの普及が進んでいることだ。イギリスやオーストラリアの地方などに行くと、未だに黒煙をまき散らして走るクルマを見かけることがある。これからもすばらしい自然や世界遺産などの保護についてまだまだ考えるべきことがたくさんあると気付かされる」
同観光公社は、「野生のカンガルーが横切る大自然の道の中を、電動バギーで走る楽しみもあり、都会では味わえない魅力がいっぱいある」とPRする。ハミルトン島へはケアンズやメルボルン、ブリスベン、シドニーから航空便が毎日運行されている。