ヤマハ発動機は12日、2010年12月期から3か年の新中期経営計画を発表した。過去最悪の赤字決算に陥った前期からの再建を図り、最終年度の12年12月期には連結営業利益率5%の達成をめざす。
中期計画では今回の業績悪化の主因となった日米欧の先進国事業について、規模の依存から「損益分岐点」に基づく舵取りへと転換させる。一方で成長が続く新興諸国では中国、インドでの事業を強化するなど「量的・質的」拡大を図る方針だ。
初年度の10年12月期は営業利益を100億円の黒字に転換させることを必達目標に掲げた。最終の12年12月期は売上高1兆4000億円(09年12月期比21%増)、営業利益700億円を目指す。
3月に次期社長への就任が内定している柳弘之上席執行役員は「現場、技術、経営の3つを最適化するよう取り組むことが重要」とし、この3か年で「収益体質を確立し、さらに成長路線へと速く確実に進めたい」と語った。