三菱航空機は22日、開発を進めている次世代のリージョナルジェット機「MRJ」のマニュアル作成に関し、スウェーデンの航空会社サーブと契約を結んだことを明らかにした。
サーブグループの事業部門サーブ・エアロテックのラーシューエリク・ヴィーゲ社長は「三菱がリージョナルジェット機市場に参入を考えていた2003年からずっと話し合いを続けており、三菱は日本国外におけるカスタマーサポートにはパートナーが必要であるとの結論を出した。今回の契約締結は両社にとっての今後の協力関係における第一歩だ」としている。
サーブ・エアロテックは、カスタマーサポートの一分野であるマニュアル作成作業の一部を担当。サーブは、「サーブ340」、「サーブ2000」などさまざまな軍用機プログラムを通してカスタマーサポートに関する広範な専門知識や経験を蓄積しており、そのグループ傘下のサーブ・エアロテックはマニュアルにおいては最先端のスペック「SIOOOD」(欧州航空宇宙防衛産業連合が制定する電子マニュアルの規格)の先駆けとなっている。今回の契約締結によりMRJプログラムは、それらのノウハウを活用できることになる。
MRJプロジェクトは、9月に機体仕様を確定。ANAに続き、10月に米国のトランス・ステーツ・ホールディングス社との間で100機購入に関する覚書を締結した。三菱航空機は「今回カスタマーサポートでサーブと契約したことより大きな一歩を踏み出した。MRJプロジェクトは順調に進捗している」としている。
サーブはスウェーデンの航空会社。GMの経営再建に揺れる傘下の自動車ブランド「サーブオートモービル」は同社の自動車部門だったが2000年にGMの完全子会社化し、現在では直接の資本関係のない別会社となっている。