三菱重工業グループの菱重エステートなど菱重興産グループ7社は14日、OMソーラーと共同で、太陽光発電と太陽熱回収を複合した住宅屋根置きユニット『エコスカイルーフ』を開発したと発表した。太陽光発電などを単独で設置した場合よりも高効率、省スペースで、導入が容易なのが特長。
次世代型超省エネ住宅『エコスカイハウス』での実証を通じ、家庭消費エネルギーの約65%を太陽エネルギーで賄えることを検証して製品化に踏み切る。10月中旬から販売活動を開始し、新築住宅を中心に2010年度中に500戸への普及を目指す。
エコスカイルーフは、三菱重工製タンデム型太陽電池パネルと、OMソーラーシステムを一体化したもの。太陽電池パネルと屋根面との間に、空気の流路を確保し、流れる空気で太陽電池側から熱を回収し、電気と温風を作り出す。熱回収により、太陽熱が居住空間の暖房や給湯に利用でき、太陽電池裏側の温度上昇が抑えられ発電効率が低下しにくい。太陽エネルギー利用効率が高まるため、エコスカイルーフは、出力3kWの太陽光発電ユニット設置スペースで、太陽熱利用分を考慮すると、太陽電池単体の4kWに相当するエネルギーを供給できる。
菱重エステートが太陽電池パネル、取付架台、システム金物など、OMソーラーが集熱パネル、集熱ダクト、ハンドリングボックスなどを担当してユニット化する。改築の場合でも、一般工務店が簡単に設置作業できるようにした。まず、2kW、3kW、4kWの3システムを製品化。設置する場合は、国や自治体の太陽光発電補助金が受けられる。