ダッジ バイパー は死なず!! クライスラー、生産継続を決定

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クライスラーグループは10日、ダッジ『バイパー』の生産を継続すると発表した。ブランド売却の方針を撤回し、アメリカを代表するマッスルスポーツカーとして、今後も顧客のニーズに応えていく。

クライスラーは2008年夏ごろから、リストラの一環として、ダッジ・バイパーの生産・販売権の売却交渉を複数の相手と進めてきた。そして、米国のスポーツカーメーカー、デヴォンモーターワークス社が、クライスラーに550万ドル(約5億1000万円)という最も高い買収額を提示。バイパーの売却先として最有力視されてきた。

ところが、クライスラーは4月30日、日本の民事再生法に当たる連邦破産法11条(チャプター11)の適用を申請。同時にフィアットと資本提携すると発表した。これにより、バイパーを巡る動きが一変する。

クライスラーは明らかにしていないが、バイパーブランドの売却中止は、クライスラーのセルジオ・マルキオーネCEOの意向が働いたようだ。自らもフェラーリを所有するマルキオーネCEOはスポーツカーマニア。ダッジバイパーのブランド価値に高い評価を与えたと推測できる。

バイパーは1989年1月のデトロイトモーターショーに、コンセプトカーとして登場。当初は3年間だけ少量限定生産する計画で、1990年に市販バージョンの「バイパーRT/10」が発表された。エンジンは8.0リットルV10(400ps)を搭載し、1992年5月からニューマック工場で生産がスタートした。

2003年には初のモデルチェンジを受けて、「バイパーSRT/10」が誕生。V10エンジンは排気量を8.3リットルへ拡大し、最大出力は510psを獲得した。1995年10月には、現在のコナーアベニュー工場へ生産を移管。2008年には排気量を8.4リットル(600ps)にアップした「バイパーSRT10」に進化。1992年の生産開始から17年間の累計生産台数は、2万5000台以上に到達している。最新バージョンのSRT10は、0 - 96km/h加速4秒以下の高性能。米国での価格は、9万1220ドル(約845万円)からというスーパーカーだ。

このSRT10の軽量バージョン、「ACR」(アメリカン・クラブ・レーサー)が2008年8月、ドイツ・ニュルブルクリンクで行ったタイムアタックにおいて、7分22秒1の市販車最速ラップを記録。このタイムは非公式記録ではあるが、シボレー『コルベットZR-1』の7分26秒4、日産『GT-R』の7分26秒70よりも速い。

クライスラーのダッジブランド社長兼CEO、マイク・アカビティ氏は、「バイパーの高性能は、世界中のエンスージアストを魅了してきた。我々はダッジブランドのイメージリーダーとして、バイパーの生産を続けていく」と、力強く宣言した。

現在、バイパーを組み立てるコナーアベニュー工場は、今年12月までの予定で生産を休止中。生産継続が決まったことで、雇用も守られた。破産法適用申請から2か月という早さで、新生クライスラーは再スタートを切ったわけだが、バイパーの復活は、新生クライスラーを象徴する存在といえそうだ。

《森脇稔》

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