新日鉄、極厚高強度の小径熱間圧延電縫鋼管を販売開始

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新日本製鐵は、従来の小径熱間圧延電縫鋼管(SR鋼管)の厚み製造可能範囲を大幅に拡大した極厚高強度のSR鋼管の本格販売を開始した。これにより、自動車部品の中空化による軽量化や、シームレス鋼管からの切り替えなどが可能となる。

同社はこの極厚SR鋼管の販売を促進し、自動車の軽量化(環境対策)などのニーズに対応する。

SR鋼管は一度、外径の大きな電縫鋼管を製造し、その後、熱間で縮径圧延したもので、板厚外径比が大きく、かつ加工性に優れた電縫鋼管だ。同社の光鋼管部は、1964年からSR鋼管の製造を開始し、一般的な電縫鋼管より厚肉サイズの製造が可能なことから、自動車部品や産業機械用など幅広い分野で利用されてきた。

昨年4月、SR鋼管製造工程で、原管となる電縫鋼管製造ラインのリフレッシュと同時に、その後のSR圧延機の増設を実施した。これにより、SR鋼管では世界最大級となる板厚外径比の鋼管の供給が可能となった。増設したSR圧延機には、既設圧延機と傾斜配置させたツイスト圧延技術を導入することで、極厚肉サイズでの鋼管内面形状を改善すると同時に、厚み精度を大幅に向上した。昨年以降、諸性能の確認、需要家での評価を経て、新しい極厚SR鋼管の正式な販売を開始した。

板厚製造可能範囲の拡大と寸法精度を向上させた新しいSR鋼管により、部品の中空化による軽量化やシームレス鋼管からの切り替えなど、自動車足回り部材などで電縫鋼管の適用範囲が飛躍的に拡大する見通し。また、世界唯一の製品であるSR圧延後にパイプをコイル状に巻き取ったPIC製品により、需要家の伸管工程での加工効率向上を実現することも可能。

《レスポンス編集部》

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