5月下旬に神奈川県横浜市中区内の市道で発生した死亡ひき逃げ事故について、神奈川県警は12日、37歳の男をひき逃げ容疑で逮捕した。現場に咲いていた花が男のクルマに付着。この男が使っている駐車場に花びらが落ちており、これが逮捕の決め手となった。
神奈川県警・山手署によると、問題の事故は今年5月23日早朝に発生した。横浜市中区本牧原6丁目の市道で、歩道と車道を隔てている植栽の清掃作業を行っていた68歳の男性が、後方から進行してきたとみられるクルマにはねられた。男性は全身を強打し、まもなく死亡。クルマはそのまま逃走したため、警察は死亡ひき逃げ事件として捜査を開始した。
クルマは男性をサツキツツジの植栽に押し込むように突っ込んだとみられ、周囲には花や葉が散乱していた。警察では容疑車両にこれらが付着している可能性が高いとして、周辺の駐車場捜索を強化。この結果、現場近くのマンション駐車場で現場に咲いていたものと同色のサツキツツジの花びらが散乱しているのを発見している。
このマンションの近くに同種の花は無く、駐車場の借主である女性から任意で事情を聞いたところ、同居している37歳の男がクルマを置いていることが判明。この男が12日になって出頭し、ひき逃げへの関与を認めたことから、自動車運転過失致死と道路交通法違反(ひき逃げ)容疑で逮捕した。
調べに対して男は「居眠りをしていた」などと供述しているという。警察では飲酒運転の可能性についても男を追及する方針だ。