新日本製鐵は15日、鈴木金属工業が実施した第三者割当増資の引受けに係る払込を完了、鈴木金属工業を子会社化したと発表した。
新日鉄の特殊線材事業での中核二次加工メーカーである鈴木金属工業は、弁ばね用ワイヤ事業のグローバル展開と利益成長を目的とし、ガルピッタン社を今年6月に買収を完了した。これを受け新日鉄は、予定通り今回の買収資金の一部として鈴木金属が実施する第三者割当増資を引き受け、払込を完了致した。これにより、新日鉄が保有する鈴木金属の株式は35.9%から69.59%となり、鈴木金属を連結子会社化した。
鈴木金属の主たる需要家である国内自動車、エレクトロニクス関連業界は、国内市場が成熟し、成長の機会を求めて海外市場に進出している。世界各地で一貫した供給体制を確保することは、鈴木金属にとって、重要で緊急の経営課題だった。
こうした中で鈴木金属は、弁ばね用ワイヤの最大手であり、欧州、北米、中国の各エリアに拠点を持つガルピッタン社と、日系需要家と強いリレーションシップを有する鈴木金属が事業統合することがグローバルな事業展開を図り、弁ばね市場の長期的な安定成長を享受できる希少な機会と判断し、今回の買収を決めた。鈴木金属は今後、世界最大の弁ばね用ワイヤメーカーとしてグローバルな事業展開、技術力向上、競争力確保を図り、利益成長の実現を目指す。
新日鉄は、連結子会社となった鈴木金属との連携を一層強化し、グローバル展開、利益成長を支援し、新日鉄グループの高級線材分野でのグローバル・プレーヤーとしての確固たる地位を築いていくとしている。