フォードは6日、ミシガン工場に5億5000万ドル(約536億円)を投資すると発表した。ラインを大型車から小型車用に改造し、2010年から次期『フォーカス』、2011年からフォーカスベースのEVを生産する。
ミシガン工場はフォードのSUV工場で、現在は『エクスペディション』、リンカーン『ナビゲーター』などの大型SUVを生産中だ。しかし、フォードは経営再建のために大型車依存から脱却し、環境に優しい小型車へのシフトを強める方針。そのため、ミシガン工場をリニューアルし、米国における小型車生産の中核工場に位置づける。
ミシガン工場へは5億5000万ドル(約536億円)を投資。大型車用の生産ラインを小型車用に大改修する。新工場では2010年から次期フォーカスを生産し、米国市場へ投入。さらに2011年からはフォーカスをベースにしたEVを生産する計画だ。
フォーカスベースのEVは、フォードとしては初の完全EVで、部品メーカー大手のマグナインターナショナル社と共同開発。2次電池にはリチウムイオンバッテリーを採用し、充電は110Vおよび220Vコンセントに対応する。
フォードはミシガン工場のほかに、2011年からケンタッキー州ルイスビル工場で、フォーカスのプラットホームを基本にした小型車を生産予定。メキシコ工場では2010年初頭から『フィエスタ』の生産をスタートさせる。
フォードのアラン・ムラリー社長兼CEOは、「新工場はフレキシブルで効率の高い施設となる。クラストップレベルの商品力を備えたコンパクトカーを生産する」と、次期フォーカスの完成度に自信を見せる。
GMとクライスラーに比べれば、手元資金に余裕があるといわれるフォード。限られた経営資源は、小型車とEVの開発に重点的に投じる構えだ。