帝人、経営基本方針を策定…緊急対策と構造改革

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帝人グループは、長期経営ビジョンである「グローバルエクセレンスの獲得」に向けて、短期的な緊急対策と構造改革プラン、中・長期的な経営戦略を含む「経営基本方針」を策定した。

対応すべき経営課題としてポリエステル繊維、PETフィルム、ポリカーボネート樹脂の抜本的構造改革、アラミド繊維事業、炭素繊維事業の成長軌道への回帰、新事業創出などを掲げ、これら経営課題に対し、経営基本方針に沿って速やかに構造改革を断行するとともに、中・長期的に技術革新を核とした持続的成長を目指す。

短期目標では2009年度中に「黒字体質」への転換を図ること、2010年度に当期純利益黒字化を達成すること、2009年度にキャッシュフローを100億円以上確保することとする。

緊急対策として既に2008年度後半から、設備投資や在庫の圧縮、製造コスト・本社費の削減、役員報酬の一部返上、人員体制見直しや時間外労働削減などによる労務費削減などを先行実施している。2008年度は、設備投資を従来計画から約100億円削減して年間750億円、在庫は第3四半期末時点から500億円削減して年度末に1350億円となる見通し。

これら緊急対策に加え、2009年度には「構造改革」としてポリエステル繊維、PETフィルム、ポリカーボネート樹脂について不採算分野の抜本的な見直しと、生産拠点・生産ラインの再編によるグローバル最適生産体制の構築を図る。ポリエステル繊維事業は、既に自動車向けファブリック事業の垂直統合など、バリューチェーンの構造改革に先行着手した。

アラミド繊維、炭素繊維といった高機能素材事業については、競争力確保のための損益分岐点引き下げと、持続的な素材・商品開発や川中・川下ビジネスモデルの展開を進めることなどで、グローバルでの新市場創出を目指す。

これらの諸対策を含め、グループ全体で徹底的な効率化を図り、素材事業を中心に年間400億円を固定費削減する。うち約200億円は役員報酬や管理職年棒の減額など、労務費で実施する。

迅速かつ効果的に構造改革、成長戦略を推進するため、組織改革を実施した。 迅速な意思決定と効果的な戦略審議を行うために経営会議体を再編し、同時にコーポレート戦略機能の強化に向けて経営企画スタッフの統合・再編を実施した。事業横断的な構造改革を推進するため「構造改革委員会」を設置した。

CEO直轄の事業横断的な開発・マーケティング組織として、自動車・航空機などの市場をターゲットとした「モビリティービジネス企画室」、およびエレクトロニクス・エネルギー市場をターゲットとした「E&Eビジネス企画室」を新設した。

成長市場における戦略推進のために「BRICs担当役員」を設置した。

《レスポンス編集部》

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