キャッツは19日、自動車用電子システムの国際標準「AUTOSAR」に準拠した車載システム向け開発支援ツール「ZIPC AUTOSAR」を発売した。最小構成価格は税別で300万円。
車両の高機能化に伴い、車載ソフトウェアは年々複雑化している。2002年に100万行だったプログラム量は、1980年代半ばに構築された銀行の第3次オンラインシステムソフトウェアの量を凌駕する約1000万行のレベルに達している。国産の高級車に搭載されるエンジンや駆動機構、安全装置などの制御用マイコン「ECU」数は100を超えている。
車載ソフトウェアの開発現場が直面している大規模化や統合化による複雑化などのさまざまな問題に対応するための有力な手法の1つとして注目されているのがプラットフォームベース開発。このプラットフォームベース開発をゴールの1つに位置づけているのが欧州発の車載用ソフトウェア標準仕様AUTOSARで、今回発売するZIPCは、AUTOSARベースの開発手法をサポートするツール。
ZIPCは、AUTOSAR準拠のファイル出力機能や設計支援機能を盛り込んでいる。ソフトウェア設計情報を車載ネットワーク情報へマッピングすることでシグナルを自動的に抽出できる。また、従来のパラメータエディタ、XMLエディタなどによる設計では実現が困難なマウスを用いた直感的操作によるシグナルフレーム割り当て機能、パラメータによる妥当性チェックなどの機能も搭載する。こうした専用の設計支援機能を使用して設計することで、より効率の良い設計が可能となる、としている。