東芝は25日、米国の電力事業者であるサウス・テキサス・プロジェクト・ニュークリア・オペレーティング・カンパニー(STPNOC)と、日本企業として初めて海外における新規原子力プラントの建設に関するEPC契約を締結した。
今回締結したのは、STPNOCがテキサス州に新規に建設を計画するサウス・テキサス・プロジェクト3号機、4号機の契約。米国初となる140万キロワット級原子炉「ABWR」2基、原子炉周辺設備の納入、エンジニアリング、建設工事などを含めた全体のプロジェクトで2016年以降の運転開始を目指す。
東芝は昨年3月に、サウス・テキサス・プロジェクト3号機、4号機の主契約者に選定され、建設までのエンジニアリング、主要機器等の納入を受注したが、今回の契約締結により、プラントの建設を含めたプロジェクト全体を一括受注した。今回のプロジェクトでは、基本設計を含むエンジニアリング全般と主要機器の納入を東芝が担当し、グループ会社であるウェスチングハウス社もエンジニアリングや機器納入で参加する。
現在、米国では30基以上の原子力発電プラントの新規建設計画が発表されている。世界各国でも電力の安定供給と地球温暖化防止の観点から、原子力発電プラントの新規建設や既設プラントの効率向上が求められている。東芝は、米国内の原子力事業拡大に向け設立した「東芝アメリカ原子力エナジー社」と、北米でのABWR型原子力発電所の新規建設・保守保全の事業を展開していく方針だ。