元祖「目立ち男」は、こんなにも過激だ!

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イタリアのテレビニュース中継にさりげなく映っている「目立ち男」はすでに紹介されたことがあるが、以下はその元祖ともいえる、より過激な男性である。彼の名はガブリエレ・パオリーニ。

パオリーニがその活動を始めたのは1990年代後半だ。イタリアの公営および民間テレビニュースの中継シーンで、レポーターの背後に立っているようになった。 最初は無言で頷きながら、レポーターの話を聞くふりをしていた。

ところがまもなく自らのウェブサイトを書いたカードを掲げるようになり、やがてレポーターのマイクにも入るくらい声高に叫ぶようになった。最近では、アリタリア経営再建問題の中継などに出没している。

中継画面で見る限り、近頃は自分が映っているかどうかを確認できるテレビ付き携帯電話という“新兵器”も導入しているようだ。

自ら同性愛者であることを公表。公式ホームページでは「コンドームの預言者」と称し、コンドームの使用とエイズ予防を訴える。同様に公式ページには、「2万回テレビ番組をハイジャックした人物としてギネスが世界記録として認定した」という画像も掲載している。

いっぽう当然のごとく、テレビ局にとってパオリーニは中継を妨害する「敵」だ。レポーターをスタッフで囲んだり、壁際に立たせたり、さらに背景が入らないよう超アップで放映したりと、さまざまな工夫を重ねてきた。

しかしパオリーニは、たびたび本番まで中継現場の陰に隠れていて、突然画面に収まるパフォーマンスを繰り返した。ついには激怒したレポーターがパオリーニに生放送で「蹴り」を入れた事件が発生したほか、本人の記述によれば、すでに放送局などから損害賠償などで約400件の訴えが起こされているという。

パオリーニの主な収入源は、ディコスコ、ホテル、サウナなどにおけるイベントや取材の出演料という。

イタリア在住の筆者は、いつの日からかニュース番組で中継シーンになると、今日も彼が登場するのではないか?とテレビ画面の前で緊張するようになった。

パオリーニの存在は、テレビというメディアが本来持ちながら最近は自ら放棄しつつある「ライブ性」という特質を、逆説的に示しているといえまいか。

《大矢アキオ Akio Lorenzo OYA》

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