ACEA(欧州自動車工業会)は15日、2008年の欧州全域(EU+EFTA全28か国)の年間新車販売結果を公表した。総販売台数は1471万2158台で前年比は7.8%減。前年比18%減の1324万2701台にとどまった米国を抜いて、世界最大の自動車マーケットに君臨した。
しかし、その内容は手放しで喜べる状況ではない。欧州5大市場はすべて前年実績を下回り、ドイツは前年比1.8%減の309万40台、フランスは0.7%減の205万282台、イタリアは13.4%減の216万131台、英国は11.3%減の213万1795台、スペインは28.1%減の116万1176台と、ドイツとフランスを除いて2桁の大幅マイナスを喫した。
主要9社の販売実績は、1位のフォルクスワーゲングループ(アウディ、セアト、シュコダなどを含む)が前年比4.4%減の302万6550台をセールス。VWブランドは3.8%減の157万583台だったが、アウディブランドが0.2%増の66万3310台と健闘した。これは新型『A4』やマイナーチェンジした『A3』&『A6』の効果によるもの。とくにA4はドイツでBMW『3シリーズ』を上回るセールスを記録している。
2位のPSAプジョーシトロエンは前年比9.1%減の186万5407台。3位のフォードグループ(ボルボを含む)は5.2%減の146万1235台。4位のGMグループ(オペル、シボレー、サーブを含む)は13.9%減の140万6916台。5位のルノーグループ(ダチアを含む)は6.9%減の128万6120台。ルノーブランドは8.8%減だったが、ダチアブランドは『ロガン』のマイナーチェンジ効果で6.2%増の18万4109台と躍進した。
6位のフィアットグループ(ランチアやアルファロメオを含む)は前年比5.5%減の117万9989台。しかし、フェラーリとマセラティは12.3%増の6251台と不況知らずを見せつけた。
7位のBMWグループ(MINIを含む)は前年比3.5%減の81万9461台、8位のトヨタ(レクサスを含む)は12.4%減の81万4581台、9位のダイムラー(メルセデスベンツとスマート)は5.9%減の78万8955台。メルセデスブランドは7.5%減と後退したが、スマートブランドは7%増の10万1756台と売れている。
このほか、日本メーカーでは、日産が『キャシュカイ』(日本名:『デュアリス』)の好調により、前年比8.8%増の33万7913台と元気。マツダも『マツダ2』(日本名:『デミオ』)が売れた効果で、2.1%増の24万5062台と勢いづいた。
しかし、ホンダは15.7%減の26万4238台、スズキが12.4%減の25万888台、三菱が16.1%減の11万9956台と苦戦。韓国勢もヒュンダイが11.3%減の27万1064台、キアが7.3%減の23万4965台と落ち込んだ。また、ジャガー&ランドローバーは15.2%減の10万6896台と不振だが、ジャガーブランドは新型『XF』投入によって、12.6%増の3万7587台と活気を見せている。
欧州新車販売の推移を2008年年間で見ると、前年同月比は4月の9.6%増を最後にマイナスに転じ、10月以降は2桁の大幅マイナスが続いている。2009年の新車販売にも、明るい要素は少ないというのが大方の予想だ。