GMは12日、新型ビュイック『ラクロス』を発表した。デザインはGMの米国と中国部門が連携。シャシーは欧州部門が担当と、3地域にまたがって開発された。
GMは2008年末、中国で新型『リーガル』の販売を開始。リーガルはオペル『インシグニア』のフロントマスクをビュイック流儀に変更したモデルである。新型ラクロスもシャシーはインシグニアがベースだが、ボディは専用設計された。
GMは2008年4月の北京モーターショーで、ビュイック『インビクタ』という名前のコンセプトカーを披露した。新型ラクロスはこのインビクタを市販にあたってモディファイさせたモデルである。
外観はひと目でビュイックとわかるスタイリングを採用。縦基調のメッキグリルはビュイックのアイデンティティといえるデザインだ。サイドウインドウの面積は小さくまとめられており、スタイリッシュに見える効果を生んでいる。
ボディサイズは全長5003×全幅1858×全高1497mm、ホイールベースは2837mm。マッシブなフォルムが5メートルを超える全長を感じさせない理由だろう。
インパネはインシグニアと同じく、サイドまで回り込んだ特徴的なデザインで、上下で色使いを変えたツートンインテリアを採用。ダークウッドやクロームメッキがアクセントとして添えられた。メーターやスイッチの照明はブルーで統一している。
エンジンは直噴V6の2機種。「LX」、「LXL」が3.0リットル(255ps、29.2kgm)、「LXS」が3.6リットル(280ps、36.1kgm)を搭載する。コールドスタート時の排出ガス中の有害物質は約25%低減。トランスミッションは両ユニットともに6速ATだ。
安全装備は充実しており、「サイドブラインドゾーンアラート」、「リアビューカメラ」、「アダプティブライト」、「オンスター」などのアイテムが用意される。
新型ラクロスは今夏から生産がスタートし、その後、市場へ投入される。米国ではレクサス『ES350』、リンカーン『MKS』などと競合。GMは新型ラクロスが、ビュイックブランド復権の大きな原動力になることを期待している。