ホンダから発売された新型『オデッセイ』、アブソルートを除くFF車には、インパネ右側に派手な緑色のECONモードの切り替えスイッチが装備されている。
先代モデルにも省燃費モードへの切り替えスイッチは装備されていたが、新型ではより目立つデザインが採用されている。
新型オデッセイの開発責任者を務めた五十嵐則夫さんは「新型オデッセイは低フリクション化などで燃費を向上させていますが、ECONモードを使うことで3 - 10%の燃費向上が期待できます」
「ECONモードは、燃費性能を高めるためにアクセル開度に対し実際のスロットル開度を抑えたり、CVTが最も燃費効率のよい回転数を維持するように制御されます。ほかにもエアコンのコンプレッサーの一時停止などによりエンジンの負荷低減を図ります」
「ECONモードを使っている際には2リットル車並みの出力レベルにはなりますが、高速道路の流入時などでアクセルを深く踏み込んだ際にはECONモードが一時的に解除される仕組みになっていますので、瞬時に力強い加速を引き出すことも可能です」とコメント。
実際にECONモードを使って新型オデッセイを走らせてみると、確かにCVTが低回転を維持しがちになり、エンジン回転の上昇もマイルドになるので加速性能はかなり穏やかな特性になっている。ただし、この状態だと少し物足りなさを感じてしまうのも事実。
試しにECONモードをオフにして走ってみると力強さは激変し、水を得た魚のようにキビキビと走ってくれる。オデッセイは、どちらかといえばスポーティなミニバンというイメージなのでECONモードを使わないパワーフィールのほうが似合っているような気がする。
だが、家族を乗せて長距離ドライブに出かけるような時や、平日は奥さんが運転するような使い方なら、やはりECONモードはありがたいシステムといえる。走りの性能を高めながらも、燃費やECONモードが用意されているあたりは環境意識の高いホンダのミニバンらしい。