9月16日、デザイン界の一線で活躍する奥山清行氏(ケン奥山)が設立したカロッツェリア「KEN OKUYAMA DESIGN(ケン奥山デザイン)」は、今年3月のジュネーブモーターショーに参考出品したスポーツカー『K.O 7』を市販すると発表した。
販売開始は日本時間の11月1日午前0時で、受付は同社ウェブサイト上で行われる。価格は1950万円に5%の消費税を加え、トータル2047万5000円。
「カーデザイナーとしてアメリカ、ドイツ、イタリアで多くのことを経験してきた。海外から日本を見続けてきたからこそ得られたものがある。それを生かして、日本文化を深い部分で表現したクルマを作ろうと考えました。それがこのK.O 7なのです」。ケン奥山はK.O 7の開発意図についてこのように語る。
同氏はアメリカのGM、ドイツのポルシェ、イタリアのピニンファリーナと、主に海外の自動車メーカーやデザイン会社でインダストリアルデザインに関わってきた人物だが、日本文化には強いこだわりを持っている。出身地である山形の伝統工芸である天童木工や山形鋳物などの技法を生かしたモノ作りのブランド「山形工房」を立ち上げているのも、そのこだわりゆえという。
「K.O 7は、フレーム部分は無塗装のドライカーボン。またアルミ部分も塗装なしで、素材の色や形を生かしたデザインとしました。料理で言えば、肉料理を調味料でいろいろ味付けするのではなく、焼肉を塩だけで味わうようなものです。素材を生かすことが、日本文化の特徴」(ケン奥山)