「東京と京都でも計画」…パリ市の公共レンタル自転車システム「Velib」運営会社に聞く

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「東京と京都でも計画」…パリ市の公共レンタル自転車システム「Velib」運営会社に聞く
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1500近いステーションと2万台以上の自転車を整備し、世界に類を見ない大規模な自転車レンタルシステム『Velib(ヴェリブ)』を2007年7月にスタートさせたパリ市。サービス開始より1年以上が経ち、パリの交通事情にはどのような変化が起こっているのか。Velibの運用をパリ市より委託されているJCDecaux社でマネージャーを務めるThomas Valeau氏に話を聞いた。

----:パリにおいて、行政主導で自転車の無人レンタルシステムを整備したきっかけは。

Thomas氏:2005年にリヨンでVelovとして導入が行われ、それが成功した。その成功を受けてパリでも導入することになった。

Velibを導入するに当たって4つの目的があった。まず第1は、自動車の交通量を減らすこと。この1年間の成果としてパリ市内の自動車交通量は約6%減っている。もちろん、自動車交通量の減少の理由が全てVelib導入の結果とは言えないが。貢献度は高いはずだ。

第2は、第1の目的とも関連するが、タクシーの利用を減らすことだ。Velibの特長は、特に移動距離が短いケースで役に立つことだ。短距離移動の場合、タクシーを利用する場合が多いが、そのときにタクシーを使うのではなく自転車を使ってもらう。

第3は、夜間の移動手段を提供することだ。特に深夜はこれまでタクシーしか移動手段がなく、しかも高額でかつなかなか拾うことができなかった。Velibの登場によって夜に移動手段がなくて困ることもない。

第4は、これも第1の目的と関連するが、CO2を減らすことだ。自動車の交通量を減らすと言うことはCO2の低減にも効果がある。

----:現在のVelibのサービスの規模と今後の予定を教えて欲しい。

Thomas氏:2008年9月現在、パリ市内に1451ステーションのステーションがあり、自転車の台数はあわせて2万600台。2009年にはVelibのサービスはパリ周辺の30市町村に拡大し、300ステーションが追加になる。長期利用者は21万7000人。月間平均で約10万回の利用があり、9月末までの数字では累計約3300万回の利用がある。週末は3割減。

----:ステーション設置の間隔は?

Thomas氏:基本的にパリ中心部は300m間隔で設置している。郊外ではこの限りではなく、多少ステーション間の距離はある。もっとも、300mというのはひとつの目安であり、地区によっては100mのところもあれば500mのところもある。

----:ステーションの設置場所はどのように選定しているのか。

Thomas氏:都市部や、メトロ(地下鉄)の出入り口周辺、あるいは住宅部など、移動の中心になる場所にステーションを置いている。

----:確かに、メトロの出入り口周辺にはVelibのステーションがよく目に付く。Velibは地下鉄移動の補完が主眼なのか。

Thomas氏:もちろんメトロとは関係あるが、Velibの役割はメトロの補完だけではない。駐車場やバス停の近隣にもステーションは設置している。要は、自家用車やバス、タクシー、トラムも含めて、すべての公共交通の手段を補う意味がある。

----:自動車の交通量が6%減少したとのことだが、これは当初の目的を達成したと言える数字なのか。

Thomas氏:導入時に設定した目標値は10%の交通量削減だった。Velibの導入が交通量の削減に一定の効果があることは明らかになったので、今後は10%達成に向けてVelibの整備拡大を働きかける。

----:タクシーの利用を減らすことがVelib導入の目的のひとつに挙げられていたが、タクシーの利用は減ったのか。

Thomas氏:導入前、Velibとタクシーは競合すると考えられていたが、この1年の実績を見た限りでは、タクシーの利用回数・台数ともに変化は見られなかった。Velibが利用される平均距離は2km程度という数字が出ており、タクシーは2km程度の距離では使わないのだろう。

----:Velibの導入によって、自転車の交通事故は増えてはいないか。日本でもレンタル自転車導入の意見があるが、交通事故の増加を危惧する声がある。

Thomas氏:全体的な自転車の数は若干増えたが、深刻ではない。Velib導入に当たってパリ市内だけで合計240kmもの自転車道路が整備された。専用道路ができたおかげで、安心して自転車を利用できるようになった。またVelibが普及することで、ドライバーや自転車を乗る人自身も周囲に配慮した運転を心がけるようになりつつある。

----:日本への導入はあり得るか。

Thomas氏:日本では東京都と京都府がVelibのようなレンタル自転車のシステムを商社とともに整備する計画が持ち上がっている。つい先日も日本の行政担当者がVelibの事例について話を聞きに来たところだ。

----:自転車レンタルシステムの導入を考えている事業担当者にアドバイスは。

Thomas氏:人やクルマの密度、都市の構造や規模など、全ての街は異なっている。その都市にふさわしいシステムを構築しなければならない。とはいえ、レンタルの仕組みやステーションの配置といったVelibの根幹部分はどの都市にも通用するものと考えている。実際、このシステムはスペインや、オーストリア、ルクセンブルグ、ベルギー、アイルランドなど20の都市ですでに導入されている。

いちばんの問題は、自転車のシェアリングシステムをどのように周知させ、理解と協力を得るかだろう。

《聞き手:三浦和也 Kazuya Miura 通訳:佐藤純 Jun Sato》
《まとめ・構成 北島友和》

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