GMAC、自動車ローンを制限

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GM傘下の自動車金融会社最大手として知られるGMACが、自動車ローンの申請に対する審査基準の強化を発表した。それによると、今後クレジットスコアが700以下の顧客に対する新規ローンを打ち切るという。

クレジットスコアとは個人の借入履歴などを点数としたもので、700以上は優良とされる。ちなみにアメリカ人の平均は670点前後。つまり今後は「より返済が確実と見られる顧客だけを対象とする」という一種の貸し渋り。

今年前半7か月を見ても、すでにGMACが受け付けた新規ローンのうちクレジットスコアが700以上の顧客は全体の74.3%を占めている。またクレジットスコアの引き上げに加え、60か月以上の長期ローンはモデルによっては受け付けない方針も明らかにした。

こうした動きは他の自動車金融にも波及すると考えられ、これによって「車を買いたいがローンが組めない」顧客がますます増えることが懸念されている。あるディーラーでは「昨年はローン申請の7割が通ったが今年に入り3割しか通らなくなった」と苦しい現状を訴えている。

車が売れない状況に加え、売りたくてもローンが下りない状況が続けばさらに新車販売台数に打撃が生じそうだ。政府による金融安定化政策が可決されたにもかかわらずこうした動きが見られることに、業界は不信感を強めている。

《Sachiko Hijikata, US editor》

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