港区ではベンツがカローラの6倍売れている

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『港区ではベンツがカローラの6倍売れている』
- データで語る格差社会 -
扶桑社新書
著・清水草一著
定価:756円 発行:扶桑社

「頑張る人は(犯罪を除けば)あらゆる方法で頑張っていい。頑張れない人は頑張らなくてもいい。だから格差が拡大しているんじゃんないだろうか」---「はじめに」より。

各種データと現地調査から見えた“格差社会”の実態。港区では毎年、カローラと同数のポルシェが売れる一方、地方では軽自動車が空前の売れ行き……。1億総中流意識が崩れ、格差社会になった現代日本の現実を探る。---扶桑社ウェブサイトより。

格差の現実を検証しようとした筆者は、「あえて解決する必要のない格差」「好き嫌いの問題」や「豊かさの格差」を見つけることになる。日本一生活保護率の高い地域に行ってみれば、そこが「穏やかなサンクチュアリになっていた」ことを発見する。

なまじこの業界にいるせいか自動車の本だと思っていたら、社会・経済の本。「とりあえず“面白格差ネタ本”として、読み始めて」と筆者は言い、その通り興味深い事例が並ぶが、内容は真面目な1冊。

「野垂れ死んでもいい」覚悟のない人には本書の結論はちょっと辛いが、問題は格差の発生する原因にあり、そこはすでに本書の主題を離れる。格差があるのは悪いこと、と何となく思っている方はぜひご一読されたい。

目次より---●キャバ嬢人気ナンバーワンはホンダ・ライフ●運転手と家政婦しか会えない芦屋市六麓荘町●スーパーカーに乗った中年童貞●苗場のリゾートマンションなら20万円●ブラックカードの上にはチタンカード●外国人格差●フーゾク嬢格差●生活保護格差

《高木啓》

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