昨年12月、鳥取県智頭町内でクルマの転落事故に見せかけ、保険金目当てに男性を殺害したとして、鳥取県警は3日、62歳と58歳の男を逮捕した。クルマを運転していた男の供述から発覚したという。
鳥取県警・智頭署よると、逮捕された2人のうち、58歳の男は今年1月3日に「知人に貸したクルマが智頭町口宇波付近の県道から転落し、このクルマの近くに同乗者とみられる男性が死んでいた」と、同署に事故を届け出た。警察は現場で大破した軽ワゴン車と、神戸市東灘区内に在住する55歳男性の遺体を確認。クルマは岡山県内に在住する45歳の男が運転しており、昨年12月30日に事故を起こしていたこともわかった。
警察ではクルマを運転していた男を逮捕。事故の詳細について調べていたが、同乗していた男性との関係については曖昧な供述を繰り返していた。これを不審に思った警察が死亡した男性の周囲を調べたところ、親族が総額8200万円になる生命保険金を掛けていたことが判明。男性の知人である62歳の男が「死亡した男性にカネを貸していた」と主張し、この親族に対してカネを代わりに支払うように脅していたことも明らかになった。
この点をふまえ、警察が運転の男からさらに事情を聞いていたが、男は「死亡した男性は逃げ出そうとしたところを男2人に殴られ、その後放置された」などと供述。男性は事故によって死亡したのではなく、事故による受傷で身動きが取れない状態に見せかけるために殴打され、それが原因で死亡したと判断。
犯行に加わったのはクルマを所有する男と、親族にカネを要求していた2人の男と最終的に断定し、殺人容疑で逮捕した。ただし、2人は容疑を否認しているという。