日本自動車工業会の張富士夫会長は22日の定例記者会見で、鋼材など原材料費のコストについて「ここ数年で異常なレベルまで高騰している」と懸念を表明した。
「鋼材はあらゆる産業への影響が甚大であり、(コスト上昇は)極小化をお願いしたい」と、今後予定される鉄鋼業界との交渉に臨むうえでの考え方を示した。
張会長は、落ち込んでいる国内市場では「1台でも買っていただくよう真摯に取り組んでいるところ。とても(コストアップを販売価格に)転嫁できる状況にない」と強調した。
一方で、サプライヤーなどとともに進める原価低減については「今後も企業努力をさらに深めていく。その努力に終わりはない」とし、設計の見直しや物流、販売部門に至るまで「一気通貫」での取り組みを推進する方針を述べた。