昭和シェル石油は、帝人ファイバーと、パラキシレンの販売を目的とする合弁会社を4月1日付けで設立することで合意したと発表した。
両社はそれぞれにポリエステル事業の収益改善、石油化学分野の事業拡大に取り組んできたが、今回、双方の強みを活かして混合キシレンの供給・調達の安定化を図り、競争力のあるパラキシレン事業を共同運営することで認識が一致した。
両社は今回の事業提携を契機に、発展的な協力関係を確立し、パラキシレン事業以外の分野においても提携の可能性を積極的に模索していく。
合弁会社設立により、昭和シェル石油は混合キシレンの供給先を安定的に確保するとともに、石油化学分野であるパラキシレン事業への進出を果たし、帝人ファイバーは混合キシレンの安定調達先を確保することにより、パラキシレンからの一貫生産によるポリエステル事業の競争力強化を図る。
合弁会社は「TSアロマティックス」で、帝人ファイバーからの会社分割によりパラキシレン事業を承継し、帝人ファイバー、昭和シェル石油、および三菱商事の3社が共同出資する。資本金は1億円で、出資比率は帝人ファイバーが50.1%、昭和シェル石油が44.9%、三菱商事が5%。合弁会社は自ら混合キシレンを調達し、帝人ファイバーへの委託によりパラキシレンを製造して、帝人ファイバーなどに販売する。昭和シェル石油は、合弁会社に対して混合キシレンを安定供給する。
帝人ファイバーは、帝人グループ向けのポリエステル原料に使用するパラキシレンを合弁会社から安定的に購入する。昭和シェル石油と帝人ファイバーは、混合キシレンの安定的な供給およびパラキシレンの安定的な製造・販売について相互に協力し、製品の付加価値向上を図る。