24日夜イタリア上院議会ではプローディ首相の信任が否決されたが、この投票にピニンファリーナ名誉会長で終身上院議員のセルジオ・ピニンファリーナ氏は姿を現さなかった。
セルジオ・ピニンファリーナ氏は1926年生まれ。1950年トリノ工科大学卒業後、父バッティスタが創業したカロッツェリアに入社した。1961年には社長、66年には会長に就任。メーカーからの受託生産能力と研究開発能力を一貫して強化する経営で、同社を上場企業に成長させた。2006年には名誉会長となり、現在に至っている。
終身上院議員には2005年9月、当時のチャンピ共和国大統領から任命された。制度はイタリア上院に7議席用意されているもので、ピニンファリーナ氏の就任は2003年1月死去したG. アニエッリ・フィアット名誉会長の空席を埋める形だった。
24日の首相信任投票では、政党色が比較的薄い終身上院議員が状況を左右するといわれて注目された。だがピニンファリーナ氏は、健康状態を理由に参加しないことが投票前になって報じられた。
同氏について会社側からのコメントはないが、もはや81歳であるうえ、3月4日にジュネーブモーターショーで欧州自動車殿堂入りを控えているだけに少々心配が募る。