イタリアにおける携帯電話はプリペイド式が主流だが、それを街角で支えているのは「ロットマティカ」という端末機である。
ロットマティカは、同名の宝くじ販売会社のナンバーズくじ販売用端末として90年代に開発されたもの。主にタバッキ(タバコ店)に設置されている。イタリア人の宝くじ・サッカーくじ好きを背景に、現在までに8万拠点・15万端末が整備されている。
そのネットワーク性を活用したのが、プリペイド携帯電話の料金チャージサービスだ。顧客がタバッキ店員に携帯番号とチャージ額を告げると、店員がそれを緑色のロットマティカ端末機に入力する。数分後、携帯電話にメッセージが届けばチャージ完了だ。
ロットマティカによるチャージの普及にともない、従来のプリペイドカードはほとんど姿を消した。省資源化に貢献できたほか、顧客にとってもカード表面のスクラッチ部分を削って自ら暗証番号を携帯に入力する手間がなくなった。
ロットマティカ端末では、テレコムイタリア・モービレ、ボーダフォンを含む、イタリアで携帯通信事業を展開する4社すべてのチャージが行なえる。また現在までに、自動車税、公営放送受信料、収入印紙などの入金も行なえるようになっている。
本格的なコンビニ網がまだないイタリアにとって、タバッキとロットマティカ端末の組み合わせは、市民生活の便利さを向上させている。販売不振にあえぐ日本のtoto販売拠点も、ロットマティカのノウハウを導入してみては?