安川電機、ボルト締めや部品組み付けができる産業用ロボットを新開発

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安川電機は、製造ラインの組立工程、物流プロセスの工程間搬送など、従来人が行っていた作業をそのままロボットに置き換えられる新世代産業用ロボット「MOTOMAN-SDA10」を開発し、12月1日から受注を開始すると発表した。

同社は、人間に近い形や動きをする新世代産業用ロボットを開発し、人間と共存しての作業や補助を行うロボットを業界で初めて量産化している。累積出荷台数は約1000台で、自動車・電機・物流業界を中心に生産ラインへ適用されている。

小物部品の組立現場では、作業員の身近に工具や取り付け部品を配置し最小限の動作範囲で作業が出来るよう工夫し効率を上げており、作業中の手先の移動距離は短くなっている。移動距離が短い場合、ロボットは最高速度に到達すことは困難で、加速・減速のみを繰り返しているのが現状だ。新開発のロボットでは、ロボット関節部にある電動機構を見直し、モータ出力のアップ、減速機での動力伝達ロスの低減、減速比を最適化した。最高速度は同等のまま、短い距離でも速い速度に到達できるよう各関節軸の加速力を向上させた。これにより作業時間を従来のものより3分の2を実現した。

また、人の上半身に近いフォルムへとスリム化し、人が使用している作業環境の変更を最小限にするため、ロボット関節部にある電動機構の全長短縮で扁平化した。これにより、肩幅を500mmとし、肩位置の高さは1200mmへと上方配置することで、作業台周辺の変更を最小限にとどめ、ロボット動作範囲を作業台上の最適領域に確保した。

このほか、MOTOMAN-SDA10は、人と同じような腕の動き・姿勢を取れるよう、人と同じ7関節を持ち動作範囲は人以上。7関節あることでロボットアーム先端に付くハンド姿勢を固定するのに自由な腕の姿勢を取ることが可能。この有効性を更に高めるために最適な動作経路をパソコン上でシミュレーションし、腕の姿勢・経路を算出する新ティーチング支援ソフトも設定している。 

新開発ロボットは製造業における組立作業(ボルト締め、部品組付け・挿入作業、部品搬送)や物流プロセスにおける搬送作業(各種部材の工程間・工程内搬送、工程前配膳)での使用を想定している。

《レスポンス編集部》

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