トヨタが発表したコンセプトカー『Hi-CT』のターゲットは、20歳代前半の若者。東京の原宿や渋谷にいるような人だ。キーワードは“ゴツかっこいい”。
エクステリアデザインのモチーフは、なんとゴリラ。東京デザイン部主任の田宮創さんは、「私達の世代は、イルカなどのスピードシェイプにかっこよさを見い出していました。今の若者達は、体が重そうだが、動きが俊敏なゴリラの“意外性”に共感していることがわかりました」と言った。
この車のエクステリアデザインはトラックタイプ。室内からアクセスできるラゲッジはなく、後部にデッキを持つ。「ラゲッジについても調査をし、若者は押し付けがましいものを嫌うことがわかりました。自分たちで使い方を考えたいという意見があったのです」と田宮さんは言った。
それに基づくように、「デザインはシンプルさを狙い、あえてやりすぎないよう意識しました。それぞれの合うようにカスタマイズしてほしいと思います」と田宮さん。プラグインハイブリッドを想定し、1500ccのガソリンエンジンを積む2+2シーターのFF車となっている。
「ボディ色には、ガラスフレークの入ったシルバーメタリックにして、ちょっとパープルがかったものにしています」
「インテリアはフランス人デザイナーの担当でしたが、日本のアニメ、ポップカルチャーをイメージしています。赤と白が日本の象徴的な色だということで、大々的に使っています」ということだった。
クルマとの付き合い方について若者の“創造性”が試される1台だ。