泥酔運転で3人を死亡させた男、別の飲酒運転事故を起こしていた

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兵庫県警は4日、今年6月に兵庫県尼崎市内の県道でワゴン車を泥酔状態のまま運転し、3人を死亡させたとして危険運転致死罪で逮捕・起訴された50歳の男が、2006年1月にも飲酒運転を原因とする事故を起こしていたことを明らかにした。当時の担当者は飲酒状態を見抜けなかったという。

問題の事故は今年6月23日の午後9時30分ごろ発生している。尼崎市南塚口町付近の県道を蛇行状態で走行していたワゴン車が歩道に乗り上げ、歩いていた29歳の男性を背後からはねた。クルマはそのまま走り去り、約800m離れた尼崎市三反田町付近で路上駐車していたクルマを避けようと急ハンドルを切ったところ対向車線側に逸脱、タクシーと正面衝突する事故を起こした。

はねられた男性は死亡。タクシーも大破し、客として乗り合わせていた68歳の女性と、48歳の男性運転手が死亡しており、警察では50歳の男を危険運転致死容疑で逮捕している。

その後の調べで、この男は2006年1月4日夜、尼崎市富松町付近の県道を走行中、前走車を追い抜こうと急ハンドルを切った弾みで対向車線側に逸脱。そのまま道路右側のフェンスに激突。顔面骨折の重傷を負った。

救急搬送された際、担当した救急隊員は男の呼気からアルコール臭がしていたことを記録していたが、警察はこれを見逃し、飲酒運転を原因とする事故ではなく、追い越しの際にハンドル操作をミスした自損事故として記録。飲酒運転扱いにしなかったという。

今年6月の事故を起こした際、警察では男が日常的に飲酒運転を行っていた可能性が高いとみて調べを進めていたが、この過程で2006年1月の事故が発覚。男は飲酒運転を大筋で認めており、消防への照会で事故当時のアルコール臭検知も明らかになった。

適切に捜査が行われていた場合には男が免許停止の処分を受けたことは間違いなく、警察の捜査体制が批判されることになりそうだ。

《石田真一》

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