福岡県警は6日、飲酒運転の取り締まりを行う警官に対して暴行を加え、容疑者の奪取を図ったとして、32歳と27歳の男を公務執行妨害と傷害の容疑で逮捕した。また、混乱に乗じて逃走した25歳の男も酒酔い運転などの容疑で逮捕されている。
福岡県警・若松署によると、問題の事件は8月19日の午後6時35分ごろ発生した。福岡県北九州市若松区有毛付近の国道495号を走行していた乗用車が対向車線側に逸脱。そのまま道路右側の歩道に乗り上げたまま、約20m暴走。最終的には道路右側の電柱に衝突するという単独事故が発生した。
通報を受けて現場に急行した同署員がクルマを運転していた25歳の男に対するアルコール検知を実施し、呼気1リットルあたり0.7ミリグラムのアルコール分を検出。泥酔状態や無免許運転だったことも確認したが、直後から仲間とみられる約10人の男が現場に集結。このうち2人の男が取り締まりを行う30歳の巡査長に対して「お前、殺すぞ」などと脅し、制服をつかんだり、そのまま路上に引き倒したりするなどの暴行を加えた。クルマを運転していた男はその混乱に乗じて仲間と共に逃走。巡査長は腕などに全治9日間の軽傷を負った。
警察では事故を起こしたクルマのナンバーから、中間市内に在住する25歳の男が容疑に関係したと断定。この男に対して任意での聴取を実施していた。当初、男は「自分はたしかにあのクルマに同乗していたが、運転していたのは別の男だ」などと供述。クルマには1人しか乗っていなかったことを追及すると容疑を自供。警官に暴行を加え、現場からの脱出を手助けした男についても供述を行った。
このため警察では6日までにクルマを運転していた男を道路交通法違反(酒酔い、無免許運転)で。警官へ暴行を加えるとともに、脱出を手助けした32歳と27歳の男を公務執行妨害と傷害の容疑で逮捕している。3人はいずれも容疑を大筋で認めているという。