【伊東大厚のトラフィック計量学】ETC今昔物語 その1…早期普及が実現したわけ

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【伊東大厚のトラフィック計量学】ETC今昔物語 その1…早期普及が実現したわけ
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ETC(Electric Toll Collection、自動料金収受)は、サービス開始後6年でほぼ利用率7割に達した。車載器の保有台数に相当するの累積セットアップ台数も1850万台(※)にのぼっており、順調に普及している。

これまでの普及の足取りを振り返るとともに、これからのETCの利活用や車載器の発展について解説したい。※:07年7月末現在(再セットアップを含む)。道路システム高度化推進機構(ORSE)資料による。


◆普及低迷から立ち上がりへ

当初、ETCは普及が低迷した時期があったことを覚えておられるだろうか。全国の料金所でETCゲートの配備がほぼ完了したのは2001年12月。しかし最初の1年、普及が遅々として進まず“もっと安価な仕組みにすべきだった”など批判の声も大きかったと記憶している。

比較的早く低迷を脱した要因は何だったのだろうか?ETC利用率の推移と関係する出来事を重ねてみると、その要因が見えてくる(図1)。

利用率が10%台に乗ったのは03年9月、ゲートの配備完了から21か月かかっている。しかしそのちょうど1年後の04年9月には20%に乗り、そこから30%、40%、50%は、それぞれ数か月間で到達している。

02年ごろまで最低でも3万円した車載器は、03年3月には1万円を切るものが出できた。またハイウェイカード偽造問題から高額ハイカが販売停止となったのもこの頃だ。車載器の価格低下と高額ハイカ廃止で比較的高速利用頻度の高いユーザーがETCを使いはじめたことが、低迷期を脱した要因と見てよいだろう。


◆本格普及の背景となった道路四公団民営化

05年に入ると利用率はさらに上昇した。04年秋から、国土交通省と道路四公団によって車載器購入助成など普及キャンペーン、ETC車に限定する形で高速料金の割引が実施されている。本格普及の要因は、政府・公団による普及策の実施と言えるだろう。またこの頃にはETCに対する批判の声も消えていった。

新たに導入された3つの割引は、民営化会社への移行を1年後に控えた道路四公団が道路の建設・管理コストを削減したことで実現したものだ。例えば通勤割引では料金が朝夕半額となり、東京・大阪以外ではユーザーにとってインパクトがあったと思われる。


◆ETCは“車内インフラ”

利用率が50%を超える頃から、料金所渋滞は徐々に解消に向かい、かつて高速道路の渋滞原因の第1位であった料金所渋滞は、現在ほぼ解消されている(図2)。

ETC車載器の普及は、便利になることに加え、渋滞解消・環境改善といった道路インフラの改良に相当する効果がある。民間・政府・道路会社が、ETC普及の意義を踏まえてベクトルをあわせたことが、車載器の早期普及に結びついた。
《伊東大厚》

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