【池原照雄の単眼複眼】全社の意識改革につなげるホンダの地味で地道な環境自主目標

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◆物流や資源循環などにも対象を拡大

ホンダが2010年度までに取り組む環境負荷低減の自主目標に、新たに8項目を追加した。国内での事業活動を対象にしたもので、物流におけるCO2(二酸化炭素)排出量の低減や廃棄物埋立処分量の全事業所ゼロ化など資源循環の領域にも目標設定を広げた。

環境性能をアピールできる製品とは違って、いずれも地味な取り組みだ。同時に間接部門も含めた地道な活動が求められる。しかし、企業の社会的責任(CSR)の側面だけでなく、全社的に「環境軸」への意識改革を発揚するという意義が見えてくる。


◆製品・生産では全世界で業界初の削減目標

ホンダは昨年の5月に、全世界に供給する製品や、全世界での生産活動での2010年度までのCO2削減自主目標を公表した。

2000年度実績に比べ、製品(4輪、2輪、汎用)は単位走行(汎用は単位時間)当たりで10%低減、生産活動では台当たり4輪が10%、2輪と汎用では20%低減するという内容だ。全世界ひっくるめた地球温暖化ガス対策の目標設定は、自動車業界では初めてだったし、いまだに追随の動きは出ていない。

ホンダが今回追加した自主目標は、国内での事業活動に限定したものだが、物流部門や資源循環、環境負荷物質(VOC=揮発性有機化合物)など、製品や生産以外にも範囲を広げた。


◆トラック輸送よりコスト高になるが…

このうち、物流部門ではCO2の排出量を10%削減(売上高当たり・06年度比)するとともに、資源循環の側面からは包装資材使用量の45%削減(同・00年度比)を掲げた。CO2削減では輸送会社と一体となったエコドライブの浸透や製品輸送の鉄道・輸送船へのモーダルシフトなどに取り組む。

船舶の活用では、いずれもトラック輸送となっている鈴鹿製作所(三重県)から首都圏、狭山工場(埼玉県)から関西圏への製品輸送を、今年度下期から順次、船に切り替える計画。「当初は若干コスト高になる」(環境安全企画室)ものの、CO2排出量の削減効果に重きを置いた判断となった。

従来の環境自主目標は、開発や工場部門が主体の取り組みだったが、追加目標によってロジスティクスなど、まさに後方支援部門にも活動が広がってきた。これらの職場ではコストや品質、効率だけでなく、環境負荷低減という業務遂行上での大きな価値観が加わったことになる。それは従業員ひとり1人に意識改革を迫る引き金となろう。
《池原照雄》

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