【伊東大厚のトラフィック計量学】道路交通はどこまで安全になるか? その3…シートベルトと自転車

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【伊東大厚のトラフィック計量学】道路交通はどこまで安全になるか? その3…シートベルトと自転車
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◆春の交通安全運動重点対策テーマは?

春の交通安全運動では、1. 飲酒運転の根絶、2. 自転車の安全利用の推進、3. 後部座席を含むシートベルトとチャイルドシートの正しい着用の徹底、の3点が重点テーマに取り上げられていた。

これらが重点化されたのは、飲酒運転による事故に対する昨今の注目度に加え、自転車の通行区分の問題、シートベルト未着用に対する罰則を後席でも導入することなど、道路交通法の改訂が今国会で検討されていることが背景にある。


◆飲酒運転の根絶やシートベルト着用が徹底されると…

飲酒運転やシートベルト未着用といった、交通マナーの基本を守らないことによる事故は、2006年中の事故総数のうちどのくらいを占めているのだろうか。

飲酒運転は、事故件数が1万1625件、うち死亡事故件数は611件だ。事故件数の合計値は、それぞれ83万8910件、5668件である。飲酒運転者の比率は、事故件数全体の1.4%に過ぎないが、死亡事故に限れば10.8%を占めている(表1、いずれも事故の第一原因者側のみの数値)。

実際の交通事故は、原因はひとつではなく複合要因となるケースも多いが、飲酒は他の違反を誘発しやすいことも事実だ。従って、飲酒運転を根絶することによって600名以上もの交通事故犠牲者を救える可能性がある。

シートベルト未着用の場合はどうだろうか。シートベルト未着用者は、自動車乗車中の死傷6万8989人のうち死亡は1210人、致死率は1.75%に達する。一方、ベルト着用者の場合、死傷61万9014人のうち死亡は1035人であり、致死率は一桁小さい0.17%だ。シートベルトの死亡事故防止効果が極めて大きいことは明らかだ(表2)。

仮に、シートベルト未着用であった死傷者6万8989人すべてがベルトを着用したとし、致死率が0.17%に留まったとすると、さらに約1000人の命を救える計算になる。


◆自転車の事故を防ぐには?

自転車利用中の事故は、負傷17万4641人、死亡は812人であり、それぞれ負傷者数全体の15.9%、死亡者総数6352人の12.8%を占める。負傷者数は、自動車乗車中に次ぎ2番目に多い(図1)。

自転車の事故は、利用者の交通マナーの問題もあるが、そもそも自転車道や自転車レーンが未整備であることなど、交通指導や取り締りのみでは解決しにくい。道路行政と交通行政が、一層連携していくことが必要だ。
《伊東大厚》

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