一字変えれば、『RX-7』。フロントマスクは『RX-8』に似ている。
マツダがついに「SUVのスポーツカー」をつくったか! と期待して乗ったのだが、走りに外観ほどのインパクトはなかった。
2.3リッター直噴ターボは、踏んでいると伸びてくる速さはあるものの、瞬発力はそれほどでもない。足まわりも、見た目からは、低く構えた操縦感覚を予感させたが、ワインディングロードに飛び込むと、やはり最低地上高20センチのSUVである。
スポーツカーのマツダなら、アイポイントや重心の高さを意識させない、もっと引き締まったドライブフィールが創出できそうに思うが、今回は“カッコ止まり”という感じだ。
しかし、こういうクルマでコーナリング・スピードが上がると、高いアイポイントがどうしてもナットクいかなくなる。コーナリングの楽しさとアイポイントの高さは、単純に反比例の関係にある。『カイエン』でも、『ハリアー』でも、『レンジローバー』でもそう思う。
■5つ星評価
パッケージング:★★★☆☆
インテリア/居住性:★★★★☆
パワーソース:★★★☆☆
フットワーク:★★★☆☆
オススメ度:★★★☆☆
下野康史| モータージャーナリスト
自動車専門誌の編集部を経て、モータージャーナリストに転身。現在はクルマ雑誌を始め、週刊誌のコラムなど幅広く執筆活動を行っている。親しみやすい文体のなかに見える、鋭い着眼点や独特の語り口にファンは多い。