故意にはねたが保険金は支払った…殺人罪被告の量刑見直し

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2005年12月、愛知県名古屋市東区内でクルマの当て逃げを阻止しようと、クルマの前に立ちはだかった男性を故意にはねて死亡させたとして、殺人罪に問われた35歳の男に対する控訴審判決公判が3月27日、名古屋高歳で開かれた。裁判所は一審の懲役16年判決を破棄。情状酌量を認め、懲役15年に量刑を変更した。

問題の事件は2005年12月18日早朝に発生している。名古屋市東区白壁付近の国道41号線で、トラックと接触事故を起こした乗用車の逃走を阻止しようと、事故を目撃した41歳の男性が前方に立ちはだかったところ、このクルマが衝突。男性はそのまま約400mに渡ってひきずられ、別のクルマにもはねられて死亡した。

事故を起こしたクルマはそのまま逃走したが、警察は後に傷害致死や飲酒運転などの容疑で34歳(当時)の男を逮捕している。

警察や検察では「最初の衝突時に被害者はボンネットの上に乗る状態となったが、男はここから加速を開始した」と判断。「未必の殺意が生じた」として殺人罪で起訴し、一審の名古屋地裁もこれを認め、被告に対して懲役16年の実刑を命じていたが、被告側は量刑不服を理由に控訴していた。

27日に行われた控訴審判決で、名古屋高裁の前原捷一郎裁判長は「一審判決の判断は相当だった」と指摘しながらも、その後に被害者遺族へ保険金や見舞金が支払われたことを考慮。「一審の量刑を維持することは、現時点では重きに過ぎる」として情状の酌量を認めて一審判決を破棄。懲役15年の判決を言い渡している。

《石田真一》

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