「ひき逃げ」に問えない 事故時に被害者即死

自動車 社会 社会

今年2月、千葉県柏市内で発生した死亡ひき逃げ事故について、検察庁・千葉地検松戸支部は20日、事故を起こした37歳のトラック運転手の男を業務上過失致死や死体遺棄・損壊などの罪で起訴した。事故時に被害者は即死したものと認定。約1.6kmに渡ってひきずつたが、ひき逃げには問えないと判断した。

問題の事故は2月24日未明に発生した。柏市西原付近の市道で全身から血を流して倒れている男性を通行人が発見、警察に届け出た。男性は近くの病院に収容されたが、約1時間後に死亡が確認された。男性は約1.6kmに渡ってひきずられたことが後の調べで判明している。

警察では悪質な死亡ひき逃げ事件として捜査を開始。事故から3日目の2月27日に37歳の男を業務上過失致死と道路交通法違反(ひき逃げ)容疑で逮捕している。調べに対して男は「人をひいた認識はあった」と供述。底部に人を挟みこんでいることも認識し、振り落とそうとジグザク走行を行っていることから、殺人での立件も視野に捜査を続けてきた。

しかし、千葉地検松戸支部では事故の状況や、司法解剖の結果から「被害者は最初の衝突時に即死した」と判断。「殺人やひき逃げには当たらず、死体遺棄や損壊の方が適切」として、最終的に業務上過失致死と死体遺棄・損壊の罪で起訴することを決めた。ひき逃げは「救護義務の違反」であるため、被害者が即死していたとみなす場合にはこれに問えないという。

《石田真一》

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

特集